日本武尊〈 やまとたけるのみこと 〉
(72年頃〜113年頃)
古代日本の国土を平定した日本神話の英雄的存在。第12代景行天皇の皇子で、第14代仲哀天皇の父とされています。
酒折宮は山梨県で唯一、古事記、日本書紀に記載のある古い神社です。記紀には、日本武尊が東夷征伐の帰りに酒折宮に立ち寄り、
「新治筑波を過ぎて幾夜か寝つる」
と片歌で問いかけたところ、御火焚の者が
「かかなべて夜には九夜日には十日を」
と片歌で答えたことが記載されています。この問答歌のやりとりが日本における連歌の起源とされ、酒折宮は「連歌発祥の地」と言われています。
当宮の由緒によると、日本武尊が酒折宮を発つときに
「吾行末ここに御霊を留め鎮まり坐すべし」
と言われ、自身の身を救った「火打嚢(ひうちぶくろ)*」を塩海足尼(しおのみのすくね)に授けました。
日本武尊の御命を奉戴した塩海足尼がこの「火打嚢」を御神体として御鎮祭したと伝えられています。
* ここにいう「火打嚢」は、日本武尊が東夷征伐に向かわれる前に参った伊勢神宮で叔母の倭姫命より「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」とともに授けられたものです。駿河の国で国造に欺かれて野火攻めに遭ったとき、これを用いて難を免れたといいます。(古事記による)
ご祭神である日本武尊が酒折宮に御鎮座したのは、今から1900年前のことです。
塩海足尼が社殿を建て鎮祭した当初の酒折宮は、現社地の北側の、月見山の中腹にありました。
月見山は三角錐のかたちをした「神奈備山(かんなびやま)」と言われる山で、当時は山そのものがご神体と見なされ、人々の信仰を集めていたとも考えられます。(神奈備山信仰は神社の原初的形態で、奈良県の大神神社の三輪山信仰がよく知られています)
酒折宮の旧跡「古天神」の周辺には古墳やたくさんの石造物が点在しており、考古学的価値のたいへん高い場所*であると言われています。
* 平成22年には、山梨学院大学考古学研究会による不老園塚古墳(酒折宮古天神古墳)の学術発掘調査が行われました。 http://www.yguppr.net/100921ygu_main.html
また、酒折の地は甲斐の国の治所の置かれたところでした。
甲斐の国から他の国に通ずる九つの主要道路は、すべてここ酒折を起点としていたようです。いつのころか社殿は古天神より現在の場所へ移されました。
そして、明治13年6月に明治天皇ご巡幸の際、徳大寺侍従長がご代拝されたのをはじめ、皇族貴顯のご参拝が数多くありました。
なお、現在の社殿は、大正5年に火災で焼失したのち新築したもので、昭和17年11月に竣工した建物となっています。
酒折宮の歴史でふれた酒折宮旧跡の古天神の地に、巨石に万葉仮名で彫られた「連歌の碑」があります。
迩比婆理
都久波袁須疑弖
伊久用加泥都流
迦賀那倍弖
用邇波許許能用
比邇波登袁加袁
訳:
新治筑波を過ぎて幾夜か寝つる
(新治筑波の地を過ぎてからどれくらい経ったろう)/日本武尊
かかなべて夜には九夜日には十日を
(日数にすると、九夜十日でございます)/御火焚の者
わが国で最初の連歌がうまれた地とされているため、酒折宮は多くの学者や文学者が訪れるところとなっています。
平成12年には、文部科学大臣賞である「酒折連歌賞」も誕生しました。(山梨学院大学主催)
毎年世界中から多くの人が応募する賞となっています。http://www.sakaorirenga.gr.jp/
当宮では以下の祭事を行っております。日程はおおよその目安です。詳細は社務所までお問い合わせください。
酒折宮社務所 ☎055(231)2690
令和6年1月 | 歳旦祭(1日) 元始祭(3日) |
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令和6年2月 | 紀元祭(11日) 祈年祭(17日) 天長祭(23日) |
令和6年3月 |
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令和6年4月 | 献詠祭(14日) 昭和祭(29日) |
令和6年5月 | 植樹祭(26日) |
令和6年6月 | 夏越の大祓(30日) |
令和6年7月 | 七夕祭(7日) |
令和6年8月 | |
令和6年9月 | 敬老祭(7日) |
令和6年10月 | 例大祭宵祭(19日) 例大祭(20日) |
令和5年11月 | 明治祭(3日) 新嘗祭(23日) |
令和5年12月 | 師走の大祓(31日) 除夜祭(31日) |
* 毎月1日・15日は月次祭を斎行しております。
緑に囲まれた静かな境内です。
本殿西側には丘が広がり、木々の合間に磐座ではないかと言われている巨石群があります。
北側には梅で名高い不老園があり、月見山の登山口がそこに続きます。
* 境内マップは酒折在住の小学生が描いてくれました。
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当宮ではさまざまなご祈祷を承っております。お気軽にお問い合わせください。
申込方法 | お電話にてどうぞ |
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受付時間 | 9:00〜17:00 |
初穂料 | お電話でお問い合わせください |
祈願内容 | 交通安全(車のお祓い)、商売繁盛、家内安全、旅行安全、工事安全、初宮参り、七五三、安産、子授、合格祈願、必勝祈願、神前結婚式、厄除(厄祓)、災難除け、身体健全(健康)、病気平癒、厄難消除、諸願成就、各種清祓(開店、開業)、各種出張祭典(地鎮祭、上棟祭、店舗開店、改築、取壊、樹木伐採、工事安全)等 |
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::: 酒折宮 :::
《 所在地 》
〒400-0805 山梨県甲府市酒折3-1-13 ☎055(231)2690
《 アクセス 》
◎ 山梨交通・富士急行路線バス、酒折宮入口バス停から徒歩5分
◎ JR中央本線酒折駅にて下車 徒歩5分